旅の準備はじめよう
うどん完全ガイド!食べ方、種類、値段、オススメのお店等まとめ
日本ではそばと並んで人気な麵メニューに「うどん」があります。春夏秋冬通して親しまれるこの麺料理は、性別や年齢を問わず楽しめる一品です。そんなうどんの食べ方、うどんの種類、リーズナブルにうどんが楽しめるお店など、日本でうどんを楽しむための情報をたとめました。
うどんとは
「うどん」とは、小麦粉でつくられた麺を和風出汁のスープで食べる日本で古くからもっとも手軽に食べられている料理です。
地域によっても調理方法や使用される具材、付け添えなどが違っているため、麺自体はシンプルで素朴ですが、様々な味やアレンジを楽しむことができます。
家庭でも食べられていますし、ファミリーレストランやうどん専門店で食べることができ、和食の中でも比較的地域などによらず食べることができます。有名うどん専門店としては、はなまるうどん、丸亀製麺などがあり、駅前立地の店、駅構内立地の店、さらには住宅地のそばなどに立地していることが多く、日本人だけでなく海外の方にも手軽にメニューを目にすることができます。
目次:
1. うどんの歴史
2. うどんの食べ方
3. うどんの種類
4. ご当地うどん
5. うどんを食べられるお店&値段
うどんの歴史
うどんの起源は古代中国と言われています。
日本に伝わったころは、団子をつぶしたような形であったとも言われています。今のような醤油ベース味の出汁スープと細長い麺のうどんになったのは、江戸時代と伝えられています。ちなみにかつおダシを利用した料理も江戸時代に大きく発展したとか。混沌とした戦国時代が終わり、平和な江戸時代の到来で、食を文化として楽しむ余裕ができたためかもしれません。地域差はあれど、昔から日本人に愛されてきた食文化であることには変わりはないのですね。
うどんの食べ方
うどんの麺は、鍋で沸騰させたお湯に入れて茹で上げられます。提供する場合にはかけうどんの場合は丼(どんぶり)や皿、ざるうどんの場合は水分を切ることができる、ざるを使用するのが一般的。そのほか、鍋、桶などが用いられることもあります。茹で上げたものをそのまま温かい状態で食べるのはもちろん、いったん水でしめて冷やしてから食べる冷たいうどんとしても楽しめます。
あたたかいうどんの食べ方
「かけうどん」など、丼(どんぶり)に入れたうどんに熱いつゆをかけたうどんの場合は、はしで麺をすくって食べます。おつゆはどんぶりに口をつけて飲んでも大丈夫ですが、れんげというスプーンを用意されているお店も多いので、それを使って味わうのがよいでしょう。好みで唐辛子や、ごま、しょうが、ネギなどの薬味を加えてください。
1点、あたたかいうどんは、時間がたつにつれ麺がやわらかく腰がなくなってしまい、美味しくなくなってしまうので注意してください。
ざるうどんの食べ方
茹でた麺を冷水で締めて、ざるなどの器に盛ったものをざるうどんと言います。熱のとれた常温に近い温かさのうどんです。
この場合は、別に用意したつけつゆに麺を付けて食べます。まずは、さっと麺全体を浸して食べてみてください。お店によってつゆの濃さは違いますのでしょっぱく感じた場合は、麺に半分くらいつけて食べる、薄く感じた場合は器の中で麺とつゆをなじませて食べるとよいでしょう。
最初はうどんとつゆのみのシンプルな味を楽しんで、あとから好みでネギやしょうが、唐辛子などの薬味をつゆに入れて食べてみてください。
つめたいうどんの食べ方
「ぶっかけ」などと呼ばれているつめたいうどんもあります。あらかじめうどんと具材、つめたいつゆが器に盛られているうどんです。この場合はつゆと具材とうどんをよく馴染ませて食べてください。好みで唐辛子やごまなどお店で用意されている薬味を加えて味わってください。
薬味について
うどんによく使われる薬味ですが、大抵の飲食店でネギや刻み海苔、そして唐辛子(一味・七味など)が提供されることが多いです。そのほか、お店により、しょうが、ごま、揚げ玉(てんぷらの衣のようなサクサクしたもの)などが用意されています。まずは、ベーシックなネギや唐辛子を試し、自分好みの味を見つけてみるとよいでしょう。
うどんのレシピ
うどんの麺は小麦粉をこねて、平たくのばし、麺状になるように切って作られます。
通常は、パスタのように乾燥した状態、もしくは軽く湯どうしするだけの生麺が販売されていますので、家庭で食べる場合はとても簡単にうどんを作ります。
麺をたっぷりの熱湯で茹でます。生の麺は1、2分、乾燥した麺は4、5分茹でるだけです。つゆは昆布、カツオぶし、煮干しなどの出汁に醤油とみりんなどで味付けします。ただし、めんつゆは市販されているのでそちらを使用してもOKです。器に麺とつゆが用意できたら好みで薬味や具材をトッピングすれば出来上がりです。
訪日観光客の方であれば、麺と粉状のつゆのもとがセットになったうどんのパックもあるので、そんな持ち帰りに便利なタイプをおみやげにしたいですね。
うどんの種類
うどんとひと口に言っても様々な種類があります。麺は同じシンプルなものを使っていても、温かいうどんか冷たいうどんか、またそれに加え、付け添えのものによって呼び方やメニューが違いますので、参考にしてくださいね。
<温かいうどん>
まずは茹で上げたうどんをアツアツのままでいただく食べ方、メニューをご紹介します。一年通して楽しめます。
かけうどん
丼に入れたうどんに熱いつゆをかけたものを言います。特に東京を含む関東地方では薬味(主に刻みネギ)以外の具が入っているものは「かけうどん」とは呼びません。西日本(香川県を除く)では、「素(す)うどん」と呼ばれており、とろろ昆布や薄切りのかまぼこなど、何かしらの具材が入ることが多いのが特徴です。
天ぷらうどん
天ぷら(エビやイカなど)、あるいはかき揚げ(野菜などの具材をまとめて天ぷらにしたもの)を載せたうどんのことを言います。特に断りのない限り、大抵のそば屋ではエビの天ぷら、立ち食い店ではかき揚げがうどんの上にのせられることが一般的です。かき揚げを使用したうどんを「かき揚げうどん」と呼ぶ事もあります。関西地方の立ち食い店では、具材のほとんど入らない「天ぷら」と、野菜中心の「かき揚げ」の二種類が用意されていることが多く、好みによって選ぶことができます。また、薩摩揚げを載せたものを天ぷらうどんと呼ぶ地域もあります。
釜揚げうどん
茹であげた麺を水で締めない状態で、つゆにつけたり、生醤油を直接かけたりして食べるものを釜揚げうどんと呼びます。
釜玉うどん
釜揚げうどんを生卵で和えたものを釜玉うどんと呼びます。水気が少ないのが特徴で、つゆや生醤油のみで味付けをしますが、卵のまろやかな風味が活きていて、女性に好まれる食べ方です。
たぬきうどん
「たぬきうどん」は地域によって様々ですが、関東近郊では天かす(揚げ玉、天ぷらの衣のかけら)を散らしたうどんのことを指します。京都では細切りの油揚げをお好みで載せてから、温かいくずあんを掛け、更におろし生姜を添えたうどんを指します。また、金沢では「いなりあんかけうどん」と呼ばれます。
きつねうどん
甘く煮た油揚げを載せたうどんのことを「きつねうどん」と呼びます。地域によっては、「けつね」、「しのだ」とも呼ばれるそうです。特に関西地方では「きつね=油揚げの乗ったうどん」のことであるため、「きつねうどん」という呼び方はあまりしないのが一般的。
月見うどん
かけうどんに生卵を落としたものを「月見うどん」と呼びます。月見(tsukimi)とは「月を見る」という意味で、卵の卵白(白身)を空を漂う雲に、また卵黄(黄身)を月に見立てたことから月見と呼ばれるようになったと言われています。地域によっては、夜空に見立てた海苔を敷く場合もあるので、好みによってアレンジしてみるのもオススメですよ。
カレーうどん
だし汁にカレー粉を加えてカレー風味にしたものや、だし汁で延ばした和風カレーをつゆとして使用したもの、茹でた麺にカレーライス用のカレーを直接ないし温かい麺つゆと共に掛けたものなどをカレーうどんと呼びます。子供に人気の食べ方でもあります。
力うどん
お餅が入ったうどんのことをこう呼びます。通常は他の具と組み合わされる場合も多く、通常は焼き餅がのせられます。
なべやきうどん
土鍋を使って煮込んだうどんのことを指します。通常は天ぷら、卵、かまぼこ、鶏肉、野菜など多くの種類の具材を使うことが多いのが特徴です。冬になると恋しくなる人も多いメニューです。
山菜うどん
ぜんまいやえのきなどの山菜をうどんと一緒にしたうどんのことを言います。シンプルな風味ではありますが、薬味を入れると山菜の豊かな香りが楽しめるうどんの食べ方です。
けんちんうどん
大根、にんじん、ゴボウ、里芋、蒟蒻、豆腐を胡麻油で炒め、出汁を加えて煮込み、最後に醤油で味を調えたすまし汁、「けんちん汁」にうどんを加えたものをこう呼びます。冬の寒い時期に好まれる食べ方です。
焼きうどん
うどんをフライパンなどで炒めて調理したうどんのことを言います。醤油ベースのだしを使ったり、ソースベースのだしを使ったりと風味は様々。
温かいうどんの食べ方には、このほかにもとろろをかけたうどん「とろろうどん」、海でとれたわかめをトッピングした「わかめうどん」など、お店や地域によって様々なメニューがあるので、お店に入ったら確認してみることをお勧めします。
<冷たいうどん>
続いて茹で上げたうどんを一度冷水で締めてから食べる、冷たいうどんです。さっぱりとした味を楽しみたい方にはオススメの食べ方が多いので要チェックです。
ざるうどん
茹でたうどんの麺を冷水で締めて、ざるなどの器に盛ったものを言います。一般的に別添えされたつゆに麺を付けて食べます。
おろし醤油うどん
麺はそのまま。シンプルな食べ方だけに、麺のおいしさが際立つ逸品です。茹でたての麺に、特製しょうゆをかけてネギ・大根おろしをのせて食べる、通好みのシンプルなメニューです。
サラダうどん
サラダうどんは、冷たいうどんの上に好みの野菜・卵・ツナ・肉などをのせてつゆをかけて食べるメニューです。サラダうどんにかけるつゆや具をかえるだけで、和風、洋風、中華風とバリエーションが楽しめます。
ご当地うどん
うどんが好きな日本では、その土地に合った付け添えや食べ方をするご当地うどんというものもあります。以下いくつか有名なものをご紹介しますので、旅行などで立ち寄ったらぜひ試してみてください。
讃岐うどん(香川県)
香川県は日本国内で県民一人あたり消費量トップを誇ります。町おこしの一環で、香川県を『うどん県』と呼ぶほど、食文化に根付いた地域で、香川県内で食されるうどんが「讃岐うどん」と呼ばれ、食感がツルリと滑らかな事が特徴。トッピングや食べ方は多種多様です。
稲庭うどん(秋田県)
秋田県南部で食されている、手延べ製法の乾麺うどんで、日本三大うどんのひとつに数えられる有名品柄。他の麺に比べ、細めの麺で食べやすいのが特徴。
伊勢うどん(三重県)
三重県伊勢市周辺に伝わる、柔らかくゆでた極太の麺に黒く濃厚なタレを絡めて食べるうどんの事です。他のエリアで好まれるコシのあるうどんと異なり、コシが無いのが特徴。また麺が太いため食べごたえがあります。伊勢名物として、お伊勢参りの際に門前横丁で気軽に食べることも出来、家庭でも楽しめる様に真空パックにされたものも販売されています。
水沢うどん(群馬県)
群馬県渋川市伊香保町の水沢で作られる特産のうどんの事。生地を捏ねてから伸ばすまでの間に熟成期間があるため、強いコシがあり、モチモチした麺なのが特徴です。乾麺、生めんなど様々なバリエーションでおやげとしても人気があります。
きしめん(愛知県)
他の麺に比べて見た目が薄く、平たい形状をした麺を「きしめん」と呼びます。ただし、名古屋地域の名産・特産・本場・名物等として「名古屋きしめん」と表示する場合には、産地や製造過程など含め基準を満たさなければなりません。味噌ベースのつゆにかまぼこが添えられるケースが一般的。
このほかにも、巾着きつねうどん(奈良県)、たらいうどん(徳島県)、ひっぱりうどん(山形県)、ひもかわうどん(群馬県)などもあるので、ご当地ならではの麺を探し、食べ比べてみるのも楽しいです。
さらに、いままでご紹介した他にも見た目や食べ方が少し変わった珍しいうどんもあります。もし興味がおありでしたら、お取り寄せして試してみるのも楽しいですね。
あわせて読みたい:
うどんが食べられるお店&値段
うどんはそばと並んで人気のあるメニューであるため、ファミリーレストランやお蕎麦やさんなどうどん専門店以外でも食べることが出来ます。しかし、変わったメニューや珍しいうどん、沢山のメニューから選びたいという方は、うどん専門店に行くことをオススメします。
注意していただきたいのは注文方法。お店によっては、テーブルで注文するのではなく、お盆を持ってカウンターに並ぶタイプのお店もあります。このタイプのお店では、列に並びながらサイドメニューを自分で選び、最後にレジで注文と支払いを済ませます。最初は戸惑う方が多いので、前のお客さんをよく観察するのがよいでしょう。
また、最初に食券機で食べたいメニューの食券を購入して店員さんに渡すスタイルのお店もあります。こちらも前のお客の行動をよく観察してください。店員さんに確認してみるのもよいでしょう。
うどんの値段は、お店によって、またトッピングの内容によっても変わってきます。
低価格のうどんチェーンでは、1杯300円〜600円程度。うどんの専門店では600円〜1,000円程度。高級店になると1,000円〜2,000円ほどのことが多いようです。
大衆的なお店でのだいたいの目安は、こちら。
かけうどん:300〜800円
ざるうどん:300~800円
天ぷらうどん:500〜1,000円
天ぷらなどのトッピング:1つ70円〜150円程度
うどんチェーン店
丸亀製麺
丸亀製麺は全国展開しているお店で、すべてのお店に製麺機を置き、小麦粉から“打ちたての麺”を作って、それをその場で茹でて“茹でたての味”を提供するというこだわりを持ったお店です。これは丸亀製麺の創業者が、讃岐うどんの本場、香川の製麺所で身をもって体験したからだそうです。
できたてのうどんは「つるつる、もちもち」。目の前で実際に釜からあがる蒸気や威勢のよい声が聞こえ、活気のあるお店が特徴。トッピングではサクサクのかしわ天(鶏肉の天ぷら)が人気です。
公式HP:http://www.marugame-seimen.com/
はなまるうどん
香川で日常的に食べられてきた讃岐うどんを手軽に食べられるお店。乳児からお年寄りまで老若男女幅広い人たちが食べているリーズナブルで美味しい讃岐うどんを日本全国、そして世界に定着させたいという想いを持って全国展開している有名チェーン店です。
夏季限定ではありますが、シーザーサラダうどんなどの変わりダネのうどんが美味しいのが特徴です。
公式HP:http://www.hanamaruudon.com/
こだわりうどんのお店
うどん慎(新宿)
チェーン店ではなく、職人さんのこだわりのうどんが食べたいという人にオススメなのが、うどん専門店「うどん慎」。このお店はJR新宿駅から歩いて5分ほどの場所にある、隠れ家的なお店です。
店主はあらゆる手間を惜しまず、一杯ごと「打ちたて」「切りたて」「茹でたて」での提供を行うほどのこだわりの持ち主で、注文を受けてから10~15分程の待ち時間かかる事もしばしば。しかし落ち着いた雰囲気と、優しいスタッフさんの声を聞きながら待つ時間は、至福の時。ゆったり過ごしながらこだわりうどんをぜひどうぞ。
うどん慎について詳しくは「 打ちたて茹でたてのツルツル麺。新宿の名店「うどん慎」でいただくこだわりの一杯 」の記事を御覧ください。
住所:東京都渋谷区代々木二丁目二十番地十六号 相馬ビル1F
電話:03-6276-7816
営業時間:月・火・水・木・日・祝 11:00~23:00(L.O.22:00)、金・土 11:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:無休(年末年始を除く)
公式HP:http://www.udonshin.com/blank-1
手打ちうどん叶屋(かのうや)(浅草)
2005年11月に浅草に開店した手打ちうどんの店「叶屋」。ぶっかけ・かまあげなど、色々なメニューを揃えていて、思わず迷ってしまいます。2Fにも席があり、春には目の前に位置する名所「伝法院」の桜が見えるので、隠れたお花見スポットでもあります。店舗内はお落ちついた雰囲気なので、ゆっくりと食事ができます。
住所:東京都台東区浅草1-37-12
電話(予約用):03-3844-6424
営業時間:11:00~20:00ランチ営業、日曜営業
定休日:水曜日
公式HP:http://www.denbouin-dori.com/shop/kanouya/index.htm
つるとんたん(銀座・羽田空港・東京・六本木・新宿)
こだわりの配合の小麦粉で「とんとん」と打たれ、熟練の職人さんによって「たんたん」とテンポよく切り分けられた珠玉のうどんが食べられる「つるとんたん」。麺打ちから切り分け、食感までを表した「つるとんたん」が店名の由来です。そののど越し、食感はつるつるとしていてクセになります。
このお店は何店舗も展開していますが、一店舗として同じお店はありません。そのエリアや利用者によって、ショップのテーマを決めて展開しているからです。他のお店に比べて、食べ比べならぬ店比べしても楽しめそうなこの「つるとんたん」。ぜひ一度行足を運んでみてください。
ショップの営業時間等はショップ毎に異なるので、HPや店頭でご確認ください。
公式HP:http://www.tsurutontan.co.jp/about.html
終わりに
うどんは安価で美味しい、日本の庶民の味。ローカルなお店が多いので、最初はちょっと入りづらいかもしれません。しかし、だからこそ、日本旅行時にしかできない貴重な体験だとも言えます。
日本でうどんやを見つけたら、勇気を出して足を踏み入れ、地元の日本人と並んでうどんを食べてみてください。
その際には、本記事を役立てていただければ幸いです。
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!